一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。

Story

あらすじ

おいしいと思える。ただそれだけで、うれしい

法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。
弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、
やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。
弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。
食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。

Character

登場人物紹介

野宮薫子(女性/41歳)イラスト右
本編の主人公。法務局勤務。誠実な努力家ゆえ、他人を頼るのが苦手。情に厚い。
小野寺せつな(女性/29歳)イラスト中央
春彦の元恋人。料理上手で、「カフネ」という家事代行サービス会社に勤める。サービス精神旺盛な反面、冷徹で可愛げがない。
野宮春彦(男性/29歳)イラスト左
薫子の弟。製薬会社の研究職。しっかり者で明るい。原因不明の急死を遂げる直前まで、せつなと交際していた。
滝田公隆(男性/41歳)
薫子の元夫。弁護士。空気を読むのが上手く、細やかな気遣いができる。春彦と仲が良かった。
常磐斗季子(女性/43歳)
家事代行サービス会社「カフネ」の代表。落ち着いていて、包容力がある。

Interview

インタビュー

【Coming soon】

Review

書評

あなたが快適に生きるためには、いま、何を食べるべきなのだろう?
薫やせつなの逡巡は、読者にそう問いかける。人生をきちんと生きるためには、きちんと食べることが必要になる。薫の選択やせつなとの交流を通して、本作は丁寧に食と人生の関係を描く。
これは私たちに息苦しくなく生きる選択肢を、食べることを通して、そっと示してくれる物語なのだ。

書評家三宅香帆

読んだあなたは、そして私は、すでに内面化してしまったいまどき的生活の「管理」を主とする強迫観念、自縄自縛の呪いを客観視して、自らを「解毒」できるだろうか。
環境の呪いから自らを解放できるだろうか。そこに本作の真のエンディングがあるといってよい。
読む者を深みにいざないつつ思考させてくれる、実に秀逸な小説だ。

エッセイストマライ・メントライン

Comment

書店員コメント

上辺だけの言葉より心のこもった料理を食べ、ほっとし、愛しくなる。人を思い、人に思われる。また人を信じられる、信じてみたいとこの小説を読んで思った。

(ジュンク堂書店滋賀草津店山中真理さん)

自分と相手の時間は一生交わることはないだろうな、と感じていた人たちがちょっとしたきっかけで仲良くなっていくお話の展開が好き。愛おしさが性別や年齢を越え、慈しみが無敵になれる感じがとても良かったです!

(ジュンク堂書店藤沢店鈴木沙織さん)

人が生きていくうえで、心は疲れてはいけないものなのだなと思いました。
美味しい、楽しい、嬉しい。何かワクワクする気持ちは、明日への希望になるものです。
きれいに掃除した整頓された部屋で、手作りのおにぎりとプリンを食べながら、読むのがオススメです。

(文教堂平塚駅店佐伯敦子さん)

生きにくい現代で何も抱えていない、傷ついた事がない人はいないのではないかと思います。直面して自分を傷つけて生きている人達を支えるのが「カフネ」です。

(有隣堂ららぽーと海老名店塚田亜紀子さん)

様々な感情が溢れかえって、言葉にしようとすると手のひらからこぼれ落ちていってしまう、そんな読後感。
ただ一つ間違いなく思うことは、全てが愛に包まれていた。親の愛、姉弟の愛、子の愛、他人の愛、根底にあるからこそ心に沁みる物語だった。

(宮脇書店ゆめモール下関店吉井めぐみさん)

人生の道で思わぬ事に直面し、とまどい悩み、立ち行かなくなった時、誰か一人でもそばにいてくれることが力となる。それは、どんなに綺麗な言葉よりも、どんなに温かな励ましよりも、心の大きな支えとなる。
『カフネ』には、心身共に疲弊し、言葉を受け入れなくなった時、言葉を超えた救いが生きていました。

(紀伊國屋書店福岡本店宗岡敦子さん)

久しぶりに、子どもの髪を梳いてあげたくなるような、その髪の柔らかさをこの手に思い出した小説でした。

(梅田 蔦屋書店永山裕美さん)

読んでいてずっと、母が毎日作ってくれた、素朴だけど愛のある手料理の数々を思い出していました。カフネ。なんて美しい言葉でしょうか。

(田村書店吹田さんくす店村上望美さん)

登場人物全てが色んな思いを抱えながら必死にもがいているそれでも少しずつでも前に進んでいるその姿を見て救われる人がいるのだろう。誰かがそばに寄り添ってくれるあたたかさを感じながら。
何度も読み返し、大切に噛みしめたい。そんな物語に出逢えた奇跡に感謝します。

(有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店小出美都子さん)

自分では上手く整理できないごちゃついた気持ちの正体に気付いて、私の欲しかった言葉がいくつもありました。どんな人をも許して、癒してくれるような作品でした。
読後は胸いっぱいにあったかいものが、ぎゅうぎゅうに詰め込まれたみたいです。

(TSUTAYAサンリブ宗像店渡部知華さん)

日々の生活は続き、人はみな生きていく。哀しみや絶望に打ちひしがれても、そこに美味しいものと、いつも一緒にいたい誰かがいてくれるだけでいい。そんな少しの幸せが生きがいになることだってある。優しさがいっぱい詰め込まれたこの一冊が誰かの心の隙間を埋めてくれるはず。

(あおい書店富士店望月美保子さん)

助けが必要な人はたくさんいる。彼らが無理をしてつぶれてしまわないように間に合え、届け、と思いながら読んだ。

(SuperKaBoS鯖江店峯森和代さん)

このやさしく強い物語が、自分ひとりで頑張り過ぎなくていいと、人に頼る事の大切さとおいしいごはんが持つ力を教えてくれる。
わたしの毎日の頑張りもどこかでぐるりとまわってどこかの誰かの悲しみや苦しみを埋められているだろうか。そんなやさしい世の中になれるといいなと思えた。

(あおい書店富士店鈴木裕里さん)

決して平坦な道ではない人生を歩んでいる彼らに悲壮感はないように見える。それだけ内面は血の滲むような思いをしているはずなのに。食べることを大切に思い前向きに生きている。自分もそうありたいと思う。

(明林堂書店フジ西宇部店田中由紀さん)

もう無理かもしれないと思ったことのあるひとに、毎日の生活に疲れ果ててしまったひとに、どうか届きますように。いま、この作品を読むことができて本当に良かったです。

(福岡金文堂志摩店伊賀理江子さん)

泣きました、というのはよくある感想だとは思うのですがこの作品は本当に泣きに泣きました。読んでいる間中ずっと優しさとはなんだろう、生きるとはなんだろう、命の使い道とはなんだろうと自分に何度も問いかけました。
苦しみや悲しみの中にある希望の光はとてもあたたかい。素晴らしい作品でした。

(水嶋書房くずはモール店井上恵さん)

「カフネ」は、心を支える鍵だ。いつでもその鍵で扉を開くことができる。
手渡し、受け取れる、そんな生き方をしたい。

(未来屋書店大日店 石坂華月さん)

1人で頑張りすぎないでいいんだよと。人を頼る事は、悪いことではないよと教えて貰えた。作中のご飯が美味しそう!

(宮脇書店境港店林雅子さん)

いろいろとうまくいかないことがあって、ままならない生活の中で、この「カフネ」という物語が、読んだ人にまた「生きたい」という感情を呼び起こしてくれると、僕は信じる。

(くまざわ書店松戸店加藤敏之さん)

深く共感する部分が多かったです。「カフネ」という言葉がとてもステキでタイトルにぴったりだなと思いました。

(紀伊國屋書店久留米店富田智佳子さん)

ラストは、胸にこみ上げるものがたくさん過ぎて、涙が止まらず。
きちんと食べられることが、いかに、人にとって大事なことであるのか。この小説で、改めて、思わされた。

(精文館書店豊明店近藤綾子さん)

カフネの美味しいは幸せのパスポート。いつまでもという愛しさが胸にあふれ、どこからでもという光に優しく導かれ、未来へと歩んでゆける小説だ。

(うさぎや矢板店山田恵理子さん)

これからの長い道のりを、食べること、そして、つながっていくことで乗り越えて! 美味しいと思える幸せを分かち合って!

(文教堂新札幌DUO店若木ひとえさん)

食べるものがからだを作る。環境がこころを作る。そうやって作られるものが自分になる。これは自分が自分であることを守るための戦いの物語だ。

(HMV&BOOKS OKINAWA中目太郎さん)

この本に出会えてよかった。読んでいるあいだ、一緒に歩いてくれて、支えてくれて、そっと背中を押してくれるような……優しさに満ちた物語でした。
読み終わって「とりあえずご飯を食べよう」とおにぎり作りました。

(明屋書店小郡店玉井慎一さん)

ただの「おいしい」だけで癒される物語ではなかった。「おいしい」は祈りであり叫びであり願いに変わり、最後の最後までずっと涙があふれて止まらなかった。

(有隣堂藤沢店廣田さん)

ああ、今夜の自分のごはんを大切にしたくなるような、じんわり染み渡る一冊だった。
「カフネ」。なんて素敵な言葉なんだ。

(紀伊國屋書店武蔵小杉店鶴見真緒さん)

人は皆、表面だけではわからないけど、それぞれの悩みを抱えて苦しんでいるということ。食べること、話し合うこと、分かり合うこと、相手のことを知ろうと思うこと。自分のできる範囲で手を差し伸べること。とても大切なことがたくさん書いてありました。

(紀伊國屋書店セブンパークアリオ柏伊藤奈穂子さん)

世の中や周囲の人達の想いに振り回されることなく生きてゆくのは難しい、そんな中主人公達の一生懸命に自分らしく生きていこうとする頑張りに清々しさと勇気をもらった。

(喜久屋書店小樽店渡邊裕子さん)

世の中には、一人では解決できないことが多すぎる。だからこそ手を差し伸べる、今できることをやることがまず第一歩。その手段のひとつとして、「食べる」ことがこれほどまでに人を元気づける、素敵な営みだったのかと気付かされました。
薫子とせつなのこれからに幸あれ!

(紀伊國屋書店大手町ビル店松永春乃さん)

優しさがじんわり心に広がっていく素敵な物語でした。誰にも頼れず、一人で抱え込んでいる人。空いた時間に少しずつでいいから、この本を読んで欲しいです。

(未来屋書店碑文谷店福原夏菜美さん)

今ギリギリのラインで踏みとどまっている自覚なき人たちはきっと多い。
その周りにいる人に、そしてまだ大丈夫、と思っている人に届いて欲しい物語。

(AKUSHU BOOK&BASE石田美香さん)

毎日を心豊かに健康で過ごすことが困難な時代。でもその人生を生き抜いていかなければならないわたしたちにとって、この小説は勇気になる。

(くまざわ書店名古屋セントラルパーク店大洞良子さん)

薫子とせつなのトゲのある、それでいてユーモアのあるやりとりが好きだと思った。この二人のなんとも言えない、愛しさの溢れる関係が心地良い。

(東京旭屋書店新越谷店猪股宏美さん)

薫子とせつな、性格も考え方も全然違う2人がカフネの活動やおいしいごはんを通して、関係を深めていく様子がとてもいいなと思いました。プライベートになればなるほど、自分で抱え込んでしまいがちですが、「そういう時は誰かに頼っていいんだ」と背中を押してもらえる作品でした。

(くまざわ書店イーアス春日井店石川莉沙さん)

家族であっても恋人であっても、どれだけ近しいひとであっても、本当の心の中は自分にしかわからない。悲しいけれど、でもだからこそ私たちは、他者と必死で向き合おうとする。理解することをやめてしまったら、何も変わらない。怖い時もある、でもそれでも求めるだれかと向き合いたいし、自分も求められたい。必要とされたい。そばにいてほしい。そんな叫び声が聞こえてきたような気がします。

(丸善ヒルズウォーク徳重店熊谷由佳さん)

人は誰かに支えられて今日も暮らせている。それと同じぐらい誰かを支えることで生きていける。私たちの生活ってそういう誰かのためにしてあげられることで成り立っているんだなと思いました。

(紀伊國屋書店仙台店齊藤一弥さん)

料理・食事・洗濯・掃除といった日々の営みの雑事が人々を苦しめ、また救うという矛盾するかのようなゆるぎない事実を指し示してくる。様々な感情が溢れ出し、愛の功罪さえも問いながら優しさにも包まれる物語。

(明林堂書店南宮崎店河野邦広さん)

寂しく辛く叫びたいほどの事があっても、あたたかく美味しいご飯を食べるだけで和む気持ち、収まる気持ちってある。辛い時は辛いって誰かに頼っていいんだと思える本。ぜひ本棚に並べて頼ってほしい。この本に出会えて良かったと必ず思ってもらえると思う。

(TSUTAYA WAYガーデンパーク和歌山中江敬子さん)

カフネを利用した人達の気持ちが少しずつ軽くなっていく様子が読んでいて自分も助けて貰えた気がします。辛いときって無理に自分ひとりで頑張り過ぎなくてもいいですよね。私はこの本を読んで真っ先にリンゴのルイボスティーが飲みたくなりました。

(コメリ書房鈴鹿店森田洋子さん)

全部読み終わったとき、「一緒に生きよう」という言葉が優しくしみこんできた。
ふたりが出会えて、ほんとうに良かった。

(紀伊國屋書店高槻阪急スクエア店北辻祥子さん)

必要な栄養さえ摂っていれば生きていける。けれど、誰かを想って作る、食べるご飯は心身に良い気がする。健やかに生きるために必要なものを教えてくれる、優しい作品。

(未来屋書店姫路大津店沖川幾美さん)

一文字も逃したくなくて、噛みしめるように読んだ。物語が進むにつれて徐々に明らかになっていく春彦の死の真相、そしてせつなの抱えるもの。心を鷲掴みにされて最後まで駆け抜けるように読み終えました。この物語と出会えてよかった。これから先、何度挫けそうになっても、何度でも立ち上がれる気がする。

(明屋書店喜田村店高橋杏奈さん)

おいしいごはん。すきなもの。そっと見守ってくれる存在。一緒にいてくれるひと。何よりも大切なことを気づかせてくれる。ささやかかもしれない、お節介かもしれない。けれど相手を思う気持ちの連鎖にやさしくもつよいことばに、ただ、ただ胸がいっぱいだ。

(未来屋書店有松店富田晴子さん)

「食べること」が「生きること」であり、その場を誰かとシェアできることは特別なことで、その一瞬を大切にしていきたいと思った。

(くまざわ書店錦糸町店阿久津武信さん)

当たり前の幸せを得るきっかけは、身近な人でなくてもいい。どこかの誰かの思いやり溢れる一匙の優しさを、ゆっくり味わって欲しい。この本があなたの側にあれば、きっと大丈夫。ずっと心強い味方になってくれるはずだから。

(大盛堂書店山本亮さん)

この本にある登場人物たちのセリフが、言葉が、どうか今、必要とされるひとにのもとへ届きますように。そう強く願わずにはいられない。ほんの少しでもいい、その優しさや温かさが、ひとときの安らぎになってくれたらいい。

(八重洲ブックセンター宇都宮パセオ店髙野典子さん)

一つ一つ思いやりを積み重ねていったその先にできる大切な人との絆は、何ものにも代え難い。誰でも理解できるような”わかりやすい”関係じゃなくていい。一つ一つのかけがえのない関係性を大切に、共に生きるということへの希望に満ちた物語でした。

(紀伊國屋書店鶴見大学ブックセンター伊勢川詩織さん)

一緒に生きよう、と思える相手がいる幸せ。色々な常識があって、色々な家族があって、色々な人たちがいる。そんな人たちに不器用に寄り添うせつなの姿、背中を真っ直ぐに伸ばした姿が頼もしくもいじらしい。今を踏ん張っている人に是非読んでもらいたい一冊。

(文真堂書店ビバモール本庄店山本智子さん)

登場する料理がどれも美味しそうで。作中幾度も登場人物たちのままならない事象に胸が軋む所を、随分と助けられた。そして食事とは精神面においてこんなにも支えになるものかと改めて感じた。

(名古屋大学生協南部生協プラザ渡邉典江さん)

こんなにも感情を掻き乱され、ぐちゃぐちゃになったのは初めてでした。優しさに満ち溢れた言葉が心に沁みて、涙なしでは読めません。毎日頑張りすぎている、そこのあなたに心から届いてほしい、そんな大切な作品です。

(精文館書店新豊田店渡邊摩耶さん)

春彦を通しての知り合いでしかなかった薫子とせつなが時にはお互いを気遣い、時には意見をぶつけ合って信頼出来るパートナーになっていくという展開がとても良かった。

(書泉ブックタワー飯田和之さん)

人それぞれ事情と苦境があり、本人以外理解できない苦しみがある。『カフネ』は2時間だけの安らぎを伝える心のリセットができるような気がします。

(未来屋書店武蔵狭山店柴田路子さん)

なぜ私たちは自分の価値観で他人をジャッジしてしまうのか。その自分の「価値観」はどうやって構築されていくのだろうか。そもそも他人をジャッジする、各々の基準はなんなのか。食と人との出会いを通して、読者がハッとさせられる物語。

(紀伊國屋書店さいたま新都心店大森輝美さん)

人生はままならない。ましてや家族はもっと、ままならない。カフネはこれからの私達への道標になる。思う存分泣ける場所で読むことを推奨します。

(未来屋書店入間店佐々木知香子さん)

何度も涙をぬぐい、何度も嗚咽を漏らし、その度にページにしおりを挟み、今自分の中でせりあがっている思いを丁寧に折りたたんで、また、続きを読んだ。
人が生きていくうえで必要なこと、その本当に大切なもののありかを阿部暁子は厳しく優しく描き出している。

(精文館書店 中島新町店久田かおりさん)

「食べる」ことは「生きる」こと。でも「食べる」ことだけでは人生の荒波を生き抜くことは、幸せになることは難しい。読み終わった誰もがきっと、「カフネ」をされたように感じて救われる人も多いでしょう。

(紀伊國屋書店梅田本店小泉真規子さん)

不妊、突然死、親子関係、離婚、介護……いろんなことで人は人生に躓いて身動きが取れなくなる。そして、ちょっとのキッカケや手助けでまた動けるようにもなる。そんなことがとても丁寧に書かれていた。いまわたしたちが現実で抱えてるものも多面的で、ひとつの問題だけ抱えているわけではないし、ひとつの問題だけが苦しいわけでもない。だからこその物語なんだろうと思った。

(紀伊國屋書店横浜店川俣めぐみさん)

日本中の、今! ここ! を踏ん張っているあなたに、どうか届いて欲しい。

(佐賀之書店本間悠さん)

利用者それぞれの事情やエピソードも面白く、一気に読み進めました。知りたいけれど、結末を知るのが怖かったけれど、よかった。

(くまざわ書店下関店村上真美さん)

なんて生きるとは困難なのかと悲しくもなるけれど、負けない、俯かないと、踏ん張れるような気持ちになります。様々な困難な前に立ち竦む人々に届いてほしい。

(明文堂書店TSUTAYA戸田坂本まさみさん)

読み進めるにつれて思いが込み上げ、涙があふれました。読了後本を閉じる時には、大切な人に優しい言葉や思いを届けたい気持ちに。今後の人生でずっとそばに置いておきたい本に出会えました。

(明屋書店喜田村店甲斐翼さん)

傷ついてきた人だから、人の心の痛みに気づく。気づいたらどうすればいいのかその答えがこの中にありました。疲れている人があたたかくておいしいものを食べてまた生きられるように、この本に出会ってほしいと思います

(喜久屋書店宇都宮店大牧千佳子さん)

世の中には色んな人がいて、気の合う人合わない人がいるのも、だからきっと当たり前で、その人の過去や心の内を知ったからと言って、わかりあえるものでもないのかもしれないけれど、嫌味にたいして小気味いいツッコミ風に言い返せたら、そのたびに少しずつ本人達も知らない間に実はいい関係になれているんじゃないかと、希望をもたせてくれる、そんな物語でした。

(紀伊國屋書店相模女子大学ブックセンター藤井亜希さん)

精神的にも肉体的にも疲れ果てている人の心をとかす料理を作る人の覚悟と、それを支えたいと思う人の覚悟が痛いほどに伝わってきて、何度も泣けてきました。
相手を思いやる気持ちが温かくて、こんなにも心に染みた作品は久し振りでした。

(蔦屋書店ひたちなか店安直美さん)

自分ではなんでもないと思っていても、温かいご飯を口に入れた途端涙が溢れたことがあったけれど、きっと知らないうちに心が疲れていたんだと思う。読みながらその時のことを思い出しました。誰もが心身の力を入れ続けながら生きるこの時代に沁みる温かいご飯のような1冊でした。

(岩瀬書店富久山店吉田彩乃さん)

自分が愛だと思っているものは相手にとっての幸いとは限らないけれど、自分ではない誰かに幸せになってほしいと願う心は必ずある。誰かと共に食べる事と誰かのためにご飯を作ることが切なくて愛おしい。

(書泉ブックタワー山田麻紀子さん)

これからも2人はきっと変わらず今まで通りご飯を作ってお掃除をして、また2人でご飯を食べてを繰り返しながら日々を過ごしていくのだろうなと想像してしまいました。

(くまざわ書店調布店山下真央さん)

人を救うことで癒やされて、食事をすることで前を向くための動力源を得る瞬間を実に鮮やかに描いている。食事をすることは生きることだ。そして、その食事は、出来れば誰かと分かち合い、生きる力の糧としたい。

(ブックスオオトリ昭島店橋本苑香さん)

ひとは一人では生きていけないと強く感じる物語でした。何やら美味しそうなものがたくさん出てきて、文字を読んでるだけなのに食べたくなるような気持ちになりますね。

(ブックスページワンIY赤羽店清宮久雄さん)

一緒に生きたいと思える人がいること、一緒にごはんを食べたい人がいること、それはきっと当たり前のことではなくて、とても尊いものなんだと改めて感じることができる物語でした。もしかしたら自分なのかもしれない、ふたりの姿にきっと救われる人は多いはず。たくさんの人にこの物語が届いてほしいと願わずにはいられないです。

(未来屋書店高崎店吉野千鶴さん)

公助、自助、共助というけれど、そこからこぼれるものだってある。この小説は大文字の「助」では掬えない誰かと誰かの思いのぶつかり合いと、そこに生まれる温かなもの、名づけられない「助」を描いている。食べること。生きること。どちらも、ひとりでは成り立たないということ。なんというか…おせっかい万歳! 余計なお世話、上等!! と昭和の女は共感しました。

(湘南 蔦屋書店八木寧子さん)

「おいしい」たったこのひとことが言える幸せ。自分は生きている、もっと生きたい、家族のそばにいたいと読みながら思った。

(明文堂書店氷見店二谷由美さん)

めちゃくちゃよかったです。感動を今一度噛み締めたくなりすぐに再読しました。薫子とせつなに「諦めずに生きていこうよ」と手を差し伸べられたような気がします。

(明屋書店東岐波店矢儀晋一さん)

誰かに深く関わること、自分の本心だけで何かを語ることは、怖い。でも、それでは誰も救えない。自分も救われない。素の自分に向き合ってこそ、素の自分が発する言葉だからこそ、誰かに届くのだ。「カフネ」に、せつなと薫子に教えられた。

(TSUTAYA太子店大道幹子さん)

読んだ後改めて、大切な人にご飯を作りたい、一緒に食べたいと思いました。「カフネ」は、心の距離が近くならないと出来ない仕草だと思いますが、そうしたい人がいるというのは幸せな事ですね。私の愛する人よ、あなたの髪に触れて良いですか?

(未来屋書店小山店松嶋真知子さん)

あまりにも深くて三度読みしました!読むたびに新しい視点に気付かされます。生き方、子供を持つということ、拒んでくる人への一歩の出し方。そして食べるという事。物語に出てくるそれぞれの人の気持ちがとても丁寧に書かれていました。

(リブロ福生店海老原眞紀さん)

いつも誰かの本当の気持ちが、わからない。自分の本当の気持ちも、わからない。一緒にいたいのに、いつの間にか傷ついたり、無邪気に奪っている悲しい私たち。それでも救いはきっとある、手を繋ぐことを諦めてはいけない、そう思う。ありがとう。静かに、確かに、心が満たされました。

(蔦屋書店熊谷店加藤京子さん)

人は誰もが「カフネ」してもらう価値がある、そして「カフネ」してあげたい人がいるということがどんなに幸せなことかを伝えてもらった気がします。

(蔦屋書店新発田店山口彩乃さん)

いま、読まれてほしい物語です。せつなも薫子も春彦も、みんな好き!

(福岡金文堂行橋店富山未都さん)

幾度となく心を震わせ目頭を熱くしながら読みました。突然死、不妊、離婚、解り合えない親子関係‥・幾重にも折り重なった問題に押しつぶさるされる寸前でも受け取ったものをきっかけに前を向き動き出せるようになる。きっと今この世界に沢山いるはずのギリギリまで踏ん張っている人たちに届いて欲しいです!

(三洋堂書店新開橋店山口智子さん)

泣いた。何度も泣いた。おいしいご飯を大切な人と食べる。これがいかに幸せで、いかに儚いことか。『カフネ』は日々の生活に限界を感じている人にこそ読んでほしい、ひだまりのような一冊だ。

(未来屋書店 各務原店大西聡さん)

読み終わり感動の連続でした。カフネ家事代行サービス掃除と料理の代行、美味しそうな料理デザートレシピを見ていると作ってみたいほど美味しそうでした。老若男女全ての人に読んで欲しい大傑作の感動作をあなたもぜひぜひ!

(くまざわ書店南千住店鈴木康之さん)

年齢も過ごした環境も違うし、なにかをわかり合うわけでもなく、でも支えたいと思う気持ち。家族という簡単な言葉ではなく、一緒に生きるということを、深く考えました。この作品と出会って価値観や感情の矛先がアップデートした気がします。多くの人に手にとってもらいたい作品です。

(くまざわ書店ココロ長岡店石橋薫さん)

一言では決して言い表せない感動と愛しさがあふれてくる。ご飯を食べる気力も掃除するような余力もなく弱っているときに手助けしてくれる「カフネ」という存在に癒されました。物語が閉じた後も、薫子とせつなが二人で寄り添って強く生きていられますようにと祈らずにはいられません!

(ジュンク堂書店名古屋栄店西田有里さん)

まっすぐで生真面目な薫子とぶっきらぼうで口は悪いけれど料理の腕は確かで食を通して相手を思いやることがてきるせつな。弟の春彦の突然の死を通してせつなとの関係を深めていきながら困難な状況を乗り越えてゆく薫子の姿が、その薫子に揺り動かされてゆく孤独なせつなの心が、感動的に描かれている。

(くまざわ書店桜ヶ丘店原口賀尚さん)

疲れ果てて、それでも毎日何とか日々を過ごしている、そんな人にせつなの相手を慮る美味しい料理が届いたなら。疲れた心身に沁み渡る、滋味溢れる心にともしび灯す物語。

(六本松 蔦屋書店峯多美子さん)

阿部暁子

Profile

プロフィール

阿部暁子(あべ・あきこ)

岩手県出身、在住。2008年『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは「いつまでも」)で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。著書に『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』『パラ・ スター〈Side 百花〉』『パラ・スター〈Side 宝良〉』『金環日蝕』『カラフル』などがある。

Book

書誌情報

カフネ

「カフネ」

発行
講談社
判型
四六判並製
定価
1,870円(税込)
ISBN
978-4-06-535026-3